雑記

旅が好きな人へ コロナ禍で読みたい オススメ旅本

旅が好き、だけど新型コロナウイルスのせいで旅ができない…
そんな方も多いのではないでしょうか(自分もそんなかんじです><)

今回は、おうち時間が増えたけど、どこかに行けるわけでもない…、そんなときにオススメの、旅した気分になれる本、旅の参考になる本たちを紹介します!
少しでも前向きな気持ちになっていただけたら嬉しいです^^

チベット旅行記 河口慧海

かつて独立国として存在し、また鎖国していたチベット。
このチベットに入り(いわゆる密入国です)仏典を手に入れるため、日本の仏僧、河口慧海がインドからネパールを経て、ヒマラヤ山脈をいくつも越えながらチベットへと向かいます。
時は明治で、旅の難度は今とは比べものになりません。

波乱万丈の旅となったのは想像に難くありませんが、途中真冬のヒマラヤで遭難しかけたり、強盗に出くわしたりと、まさに命がけで次元の違う旅。
密入国者であるため、日本人であることがばれてもいけません…
ノンフィクションの記録なのですが、「事実は小説よりも…」というのはまさにこのことではないかと思います。
現地チベット人たちとの交流や当時のチベットのようすを伝える記述も非常に面白いです。

極北に駆ける 植村直己

1984年真冬のマッキンリーに登頂を果たし、その後消息が途絶えた冒険家の植村直己さん。
生前、犬ぞりによる南極大陸横断を目指した植村さんは、犬ぞり技術を習得するためにグリーンランドにあるイヌイットの村、シオラパルクにやってきます。

世界最北の村で現地の人たちから犬ぞり技術を学び、また極地での生活やサバイバル技術を教わり、犬ぞりによるシオラパルク~ウパナビックの往復3000kmの冒険を決行しました。

この本では、シオラパルクの人たちとの交流、イヌイットの文化や生活、そして北極圏往復3000kmの過酷な犬ぞり単独行のようすが活き活きと描かれています。

イヌイットの方たちとの生活も、犬ぞりも、北極圏の単独行も、自分にとっての未知の世界ばかりで、大変面白い内容でした。
また基本的に朗らかな文章なのですが、極地の単独行はかなり危険もあったようで、途中何度か危ない場面も出てきます。
しかし、そんなときでも深刻になりすぎず文体はあくまでさらっとしていて、植村さんのお人柄が垣間見えたように思いました。

深夜特急 沢木耕太郎

知っている方も多いと思うので紹介しようか迷ったのですが、もし知らない方がいたら絶対に読んでほしいので紹介させていただくことにしました。

1970年代の日本ヒッピーブームの火付け役となり、今も多くの旅人たちのバイブルとなっている本です。

インドから乗り合いバスでイギリスを目指すという酔狂でしかない沢木耕太郎の旅。
最初に立ち寄った香港の熱気、タイの雑踏、混沌のインド、そこからバスでの大陸横断…
ノンフィクションで淀みのない鮮やかなリアリティがあり、自分も一緒に旅しているような感覚になります。

現在の「世界一周航空券」にみられる、ある種のポジティブさをもった旅とはちょっと性質が違うかもしれません。
深夜特急に登場する沢木耕太郎はじめ当時の旅行者たちは、みんな何かしらの「孤独」や「暗さ」を抱えているよう思います。
そういった空気感・雰囲気が本全体に独特の色気をもたらしているように感じます(完全に個人の感想です 笑)。

遠い海外、知らない言葉が飛び交う雑踏の中で感じる孤立感、巻き上げられる砂埃や町のにおいまで感じてしまうのは自分だけではないはずです。

また、深夜特急は大沢たかおさん主演でドキュメンタリードラマにもなり、DVDが販売されています。こちらもおススメです。
個人的にはエンディングで流れる井上陽水さんの「積み荷のない船」がドラマに合いすぎてもだえます。

青春を山に賭けて 植村直己

こちらも冒険家、植村直己さんの一冊です。
大学時代に登山と出会い、大学卒業後わずか100ドルを手に移民船でアメリカに渡った植村さん。

アメリカのぶどう畑で、スイスのスキー場で働き、そこからヒマラヤの登頂、そして五大陸最高峰の登頂を果たしていくことになる、一人の平凡な大学生だった植村さんが世界的な冒険家として大きく飛躍していく姿が描かれています。

素朴で飾らない人柄であり文章だからか、良い意味で「すごさ」を感じさせません(めっちゃすごいのですが…)。
冒険の記録だけでなく、そこに素直な思いや悩みがともに書き記してあり、本当に愛される方なのだなと思いました。

ガンジス河でバタフライ たかのてるこ


旅人、エッセイストとして有名なたかのてるこさんが一人インドに飛び立ち、そしてタイトルの通りガンジス河に行ってバタフライする、というこれもまた酔狂なお話です。

ポップな文体で深夜特急とは真逆のような読み味。
読んでいて「あほやな~ 笑」といろいろツッコミたくなる面白さがあります。
しかし、ただただあほなだけでなく、インドという強烈な異世界を目にして書かれる、たかのさん思ったこと、感じたことがじんわりじんわりと染み入ります。

「ガンジス河でバタフライ」は長澤まさみさん主演でテレビ放送され、DVDが販売されていますので、こちらもよかったらどうぞ!
自分も観ましたがとても面白かったです。

しっちゃかめっちゃかなインドの街と人々、そしてからだを張りまくった長澤まさみさんが本当にスゴイです。

神々の山嶺 夢枕獏

ノンフィクションばかりとなってしまいましたが、最後は小説です。

カトマンドゥの古道具屋でコダックのカメラを手に入れた深町。
ジョージ・マロリーのエベレスト初登頂の成否を明らかにする可能性を秘めたカメラを巡り、深町は伝説の登山家、羽生と出会います。
日本の山岳会から姿を消した羽生は、どうしてネパールにいるのか?
そして、ジョージマロリーはエベレスト登頂に成功していたのか?

普段小説を読まない自分もはまってしまった大変面白い山岳小説です。
登山の描写が多くあるのですが、一歩間違えれば死に直結する緊迫感は非常に読みごたえがありました。

こちらは谷口ジローさんによって漫画化(全5巻)されています。漫画も大変面白く、一気に読んでしまいました。

いかがだったでしょうか。
コロナのおかげでなかなかパーッと外に出られない、そんなときには旅本たちの力を借りて、ちょっと旅気分になってみるのもよいのではないでしょうか。
またいろんな発見があるかと思います。

お役に立てていたら嬉しいです。