カメラ

意外と知らない? センサーサイズから考えるカメラ選び

スマートフォンからのステップアップや新しい趣味として、カメラを購入する人もずいぶんと多くなっているように思います。
そして、本格的なカメラを買いたいけれどいろいろありすぎてわからない、そんな方も多いのではないでしょうか。

カメラ選ぶ際のポイントはたくさんありますが、その中の1つがイメージセンサーのサイズです。

今回はイメージセンサーのサイズとカメラについて解説します。
ちゃんとしたカメラを買ってみたい、写真を始めたい、でも選び方がわからない、そういった方のご参考になればと思います。

カメラ初心者の方向けにミラーレス一眼(デジタル一眼カメラ)と一眼レフカメラについて解説した記事もありますので、「違いがよくわからない」という方はよろしければこちらもご覧ください。

デジタルカメラの心臓部 イメージセンサー

そもそもイメージセンサーとは何なのでしょうか。
イメージセンサーは撮像素子ともいわれ、レンズを通して入ってきた光を受け取るデジタルカメラの心臓部です。
ここで受け取った光の情報が「画像」として記録されます。

↑イメージセンサー
デジタルカメラの心臓部となります
©SONY
↑カメラに搭載されている状態
(レンズは外しています)
©SONY

センサーサイズの違いが価格に直結

実は、イメージセンサーのサイズは何種類かあります。
そして、センサーサイズの違いによってカメラ本体の価格も大きく変わってしまうんです。

たとえば、次の2つのカメラはどちらもよく似た見た目をしていますが、中央にあるイメージセンサーのサイズがずいぶんと違います。

↑SONYのα6400
©SONY
↑SONYのα7C
©SONY

いずれもSONYのカメラなのですが、α6400(SONYのα6400商品ページにとびます)に搭載されているのは「APS-C」とよばれる規格のイメージセンサーで、α7C(SONYのα7C商品ページにとびます)に搭載されているのは「フルサイズ」とよばれる規格のイメージセンサーです。

そして、その価格を比べてみると…
*2020年12月18日現在のヨドバシカメラでの価格です

発売時期や他の部分の機能・性能が違うため一概にはいえませんが、センサーサイズが大きくなるとカメラの価格は格段に上がります。

最新の価格等はこちらからご確認ください↓

センサーサイズを比べてみる

イメージセンサーのサイズには何種類か規格があります。
先ほどのAPS-Cサイズとフルサイズ、そしてスマートフォンやコンパクトカメラでよく用いられているサイズを比較してみましょう。

スマートフォンや多くのコンパクトデジタルカメラに搭載されているセンサーサイズは一般に1/2.3型で、横6.2mm×縦4.6mmです。

これに対し、APS-Cサイズのイメージセンサーは横23.4mm×縦16.7mm(メーカーによって多少違いがあり)です。

そして、フルサイズのイメージセンサーは横36.0mm×縦24.0mmとなっています。

センサーの面積で比較すると、1/2.3型に対してAPS-Cサイズはおよそ14倍、フルサイズではおよそ30倍と、大きさにかなり違いがあることがわかるのではないでしょうか。

センサーサイズで何が変わるの?

センサーのサイズが大きくなると、カメラはとたんに高くなります。
センサーサイズがもたらすメリットはどのようなものなのでしょうか?
もちろん、ただ価格が高いだけ、というわけではありません。

センサーサイズが大きい = 高画素、ではない

その前に、ときどきある勘違いなのですが、センサーのサイズが大きい = 画素数が多い(高画素)というわけではありません。

APS-Cサイズで2000万画素のセンサーもあれば、フルサイズで2000万画素のセンサーもあります。
同じ画素数でも、センサーサイズが大きいと価格ははね上がります。

ポイント1 ぼけの量

サイズによる違い、そのポイントとしてまず写真の「ぼけ」があげられます。
「ぼけって何?」となるかと思いますので、実際の写真で見てみましょう。

ちょうどよい写真が手持ちになかったので、食い意地のはった例で恐縮ですが、下のお寿司の写真を見てみてください。

イクラにピントが来てて、周りはぼけていることがわかるかと思います。
これが写真の「ぼけ」です。

この場合、キラキラしたイクラを見てほしかったのでそこにピントをもってきています。
そして、それ以外のキュウリや数の子をぼかすことで、テーマであるイクラが際立ちます。

もし、キュウリにピントが合ってイクラがぼけていたら、せっかくのキラキラのイクラが伝わらないですよね。

ちょっと難しい話になりますが、背景をぼかすことでピントの合っている部分が浮き出します。
撮りたいもの、見てほしいものピントを合わせ背景をぼかすことで、撮影者が「伝えたいもの」を明確にすることができるわけです。

このぼけをコントロールすることで、写真表現の幅がとても広がります。
サイズが大きいセンサーでは大きくぼかすことができる(調節してぼかさないようにもできる)のですが、センサーサイズが小さいとあまりぼかすことができません

写真の「ぼけ」というのは、実はとても大事な要素の1つであり、センサーのサイズが大きいほど、ぼけを活かした写真が撮れる、というのがまず1つめの大きなメリットです。

ポイント2 暗所に強い

イメージセンサーのサイズが大きいと、面積が大きい分たくさんの光を受け取ることができます。
暗い場所はもともとの光が少ないので、センサーサイズが小さいと十分な量の光を受け取ることができず、きれいに撮影することがなかなか難しいです。
しかし、センサーサイズが大きいと暗い場所でも比較的たくさんの光を受け取ることができ、暗所での撮影に「強い」ということがいえます

ポイント3 階調表現が豊か

こちらも、「センサーサイズが大きいほどたくさん光を受け取ることができる」ことが活きる部分です。

写真の「階調」とは、ものすごく簡単にいうと「色の移り変わり」といったところでしょうか。

たとえば、空の青色も均一ではなく、グラデーションをもっています。
センサーのサイズが大きいと、広い面積で光を受け取ることができるので、微妙な階調も丁寧に再現してくれます

はじめて買うカメラはどうしたらいいの?

スマートフォンからのステップアップを目指す方は、ミラーレスカメラ(デジタル一眼カメラ)やデジタル一眼レフカメラの購入を考えられることかと思います。

となると、イメージセンサーのサイズはAPS-Cサイズかフルサイズのどちらかということになるでしょう。
(実はほかにも規格はあるのですが、ややこしくなるのでここでは伏せておきます)

なので、ここでは「イメージセンサーのサイズ」という点にしぼって、APS-Cサイズ、フルサイズのカメラそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
カメラ選びのご参考になれば幸いです。

APS-Cサイズのカメラのメリット・デメリット

メリット

・手ごろな価格でカメラを購入できる

APS-Cサイズのカメラの魅力は何といってもその価格です。
フルサイズに比べるとセンサーサイズは小さいですが、それでもスマートフォンの1/2.3型と比較すると14倍の大きさ。
たとえばスマートフォンからのステップアップでいきなりフルサイズのカメラを買う、となるとかなりの出費が必要となります。

気軽にステップアップ、ということを考えると、APS-Cサイズのカメラの方が手を出しやすいでしょう。


・フルサイズに比べると小型で軽量
フルサイズのカメラはセンサーが大きい分、カメラのボディやレンズも大きく重たくなりがちです。
大きくて重たいカメラは持ち運んでいるとそれだけで疲れてしまいます。

APS-Cサイズのカメラはボディもレンズもコンパクトにまとまっているものが多く、小型で軽量です。
気軽にカバンに忍ばせておける、気軽に持ち出せる、というのは大きなメリットです。

デメリット

・フルサイズに比べるとぼけ量や階調表現などがおちる

スマートフォンに比べると十分に大きなAPS-Cサイズですが、フルサイズと比較するとセンサーサイズはやや小さいです。
そのため、ぼけや階調表現などはフルサイズと比べると劣ってしまいます。

ただ、自分もそうだったのですが、初心者の方はそこまで気にならないかと思います。
なんというか、何年か続けている中でだんだんとその違いに気が付いて気になってくる、というような感覚でしょうか。


・APS-Cサイズ用のレンズはフルサイズには使えない

もう1つ大きな問題がレンズです。
実は、APS-Cサイズ用のレンズとフルサイズ用のレンズは規格が違います。

そのため、APS-Cサイズのレンズをフルサイズのカメラに使うことができません。
(フルサイズカメラ用のレンズをAPS-Cサイズのカメラで使うことはできます)

最初にAPS-Cサイズのカメラを買って、そこからいずれフルサイズのカメラにステップアップしていこう、というふうに考える方も多いかと思うのですが、その際APS-Cサイズ用に購入したレンズはすべて使えないのです。

それを見越して最初からフルサイズ用のレンズでそろえておく、というのも手ですが、それなら最初からフルサイズカメラを買おうかな、とも思ってしまいます…


フルサイズカメラのメリット・デメリット

メリット

・フルサイズセンサーの豊かなぼけと階調表現

なんといっても大きな魅力は、大きなセンサーからもたらされる「ぼけ量」や「階調性」といった表現力の豊かさです。

自分はフィルムカメラ → APS-Cサイズの一眼レフ → フルサイズの一眼レフ、と移り変わっていったのですが、フルサイズのカメラで撮影した写真に我ながら感激しました。

今はフルサイズ一眼レフも2台目ですが、APS-Cサイズのカメラに戻ることはないかなと思います。

デメリット

・価格がはね上がる

一方、APS-Cサイズのカメラと比べると、価格はかなり高額です。
センサーサイズ以外の機能・性能にも違いがあるので一概にはいえませんが、APS-Cサイズのカメラと同等の性能をもつフルサイズカメラを比較すると、おおよそ10万円くらいは価格が違うように感じます。


・大きくて重たい

もう1つのデメリットとして、その大きさと重さの問題があります。
センサーのサイズが大きい分、カメラが大型で重たくなりがちです。

たとえば、自分が使っているフルサイズ一眼レフのNikonD850はボディの重さだけで1005gあります。
そこにレンズをつけるとモノによっては2kgを超える重量となり、ぶら下げているだけで疲れてしまいます…

気軽に持ち出せない、持ち歩けないというのはデメリットであるといえるでしょう。

・レンズも高額

フルサイズカメラはレンズも高額です。
1本何十万円、、というのもあたり前の世界。
レンズをそろえていくのも一苦労で、特に初心者の方は負担に感じるかもしれません。

まとめ

イメージセンサーサイズは、カメラを選ぶ際のポイントの1つです。
これから本格的なカメラを買ってみよう、という方は、カメラ選びの際に頭の片隅に置いておいていただけたらと思います。

「絶対にAPS-C」ということも「絶対にフルサイズ」ということもありません。
メリット・デメリットを比べながら、お気に入りの1台を見つていただけたらと思います。

みなさんの素敵なカメラライフのお役に立てましたらうれしいです。