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埼玉秩父のパワースポット 三峯神社さんと御眷属拝借 宿坊興雲閣で過ごした参拝記録

三峯神社さんの拝殿

アイキャッチは三峯神社さんの拝殿です。当日は深い霧の中、ようやくたどり着いた三峯さんでした。拝殿に到着する頃にちょうど霧が晴れて、青空の下参拝させていただくことができました。

三峯神社さんは埼玉県秩父の山奥にある神社です。
山岳系の神さまに、狼さんをご眷属とするちょっと珍しい神社さん。

自分もよく知らなかったのですが、ここ最近「三峯神社」をやたらとよく目にして、気になったので行ってみることにしました。

調べてみると、とんでもないパワースポットであると同時に、境内に宿坊があって宿泊できること、御眷属拝借という制度があることなど、知らなかったことがいっぱい…!

今回は三峯神社さんを参拝させていただいたときの記録です。
三峯神社さんまでのアクセスや宿坊興雲閣のこと、大変珍しい「御眷属拝借」とよばれる制度のことなども紹介していますので、これから行ってみたいという方、知らなかったという方に、何かしらお役に立てたら嬉しいです。

三峯神社さんへのアクセス

三峯神社さんは埼玉県秩父の山の中にあります。
公共交通機関を使っていく場合、西武鉄道の「西武秩父」駅から三峯神社行きのバスに乗るルートになります。

首都圏から西武秩父駅に行くには、池袋から西武秩父を結ぶ「西武特急ちちぶ」があるので、こちらを利用するのがおすすめです。
自分も帰りに使ってみた(行きは鈍行を利用しました)のですが、新型の「Laview(ラビュー)」が導入されていることもあってとても快適でした。

西武秩父駅からはバスを使います。西武秩父駅前のバスロータリーから三峯神社行きのバスが出ているので乗車しましょう。
1時間15分かけてバスは山を登っていき、三峯神社さん前の駐車場に到着です。

西武特急「Laview(ラビュー)」で三峯神社さんへ(西武秩父駅)
↑行きにたまたま通りかかった西武特急ちちぶのLaview。車内は窓が大きくシートも工夫されており、とても快適でした。

ホームから撮影したLaview(ラビュー)
↑ホームから撮影したLaview。窓がとても大きいことがわかります。

Laview(ラビュー)の車内
↑Laviewの内装。車内は窓が広くてとても明るく、イエローのシートがおしゃれでした。シートピッチもゆったりして快適でした。よき!


*西武秩父駅を出てすぐにバスのロータリーがあります。
三峯山へ行くバスは一番左手側にある5番乗り場から出ています。
そこからバスに乗り、下車するのは終点の「三峯神社前」。西武秩父駅から三峯神社前まではおよそ1時間15分の所要時間です。

三峯神社さんへの起点となる西武秩父駅
↑三峯神社さんへの玄関口となる西武秩父駅。こちらは2日目の晴れたときに撮影したものです。

西武秩父駅のバスロータリー(三峯神社さん行きのバスが発着します)
↑「三峯神社」行きのバスはこちらの5番乗り場からです。駅を出て一番左側の乗り場です。


*三峯神社さんへのバスは本数があまりないので、あらかじめ発車時刻を確認しておくとよいかと思います。
こちら、西武バスの三峯神社線のページにバスの時刻表がありますのでご参考にどうぞ。

到着 霧の三峯神社さん

当日はくもり空だったのですが、三峯神社さんに到着する頃には濃い霧に包まれました。

霧の三峯神社さん(駐車場)
↑三峯神社さん前の駐車場。霧に包まれてなんだか別の世界みたいでした。ここから少し階段と坂道をのぼっていきます。

霧の中で違う世界に迷い込んだような感覚です。不思議…
バスの駐車場から階段を上り、そのあとしばらく坂道を進んでいくと独特のかたちをした鳥居が見えてきます。

三峯神社さんの三ツ鳥居
↑霧の三ツ鳥居。独特のかたちをした鳥居です。鳥居の前には「狛犬」ではなく「お犬さま」とよばれる狼さんがいます。三峯神社さんは狼さんをご眷属とする珍しい神社さんなのです。

随身門から本殿へ

鳥居をくぐって進んでいくと左手側に大きな随身門が姿を現します。
同時に右手側には遙拝殿の鳥居が。

三峯神社さんの随身門
↑霧の中の随身門。ものすごく存在感があります。ここを通って道なりに進んでいくと拝殿・本殿です。

三峯神社さんの随身門のお犬さま
↑お犬さまにも光が射し、とても美しかったです。そしてカッコイイ…!

この日随身門も深い霧の中にあって光の筋が差し込み、なんとも神秘的でした。
随身門を抜けてしばらく進んでいくと右手側階段の上に拝殿が見えてきます。

ついにたどり着きました!

三峯神社さんの拝殿
↑階段の下から見上げた拝殿。ちょうど霧が晴れ、青空の拝殿に到着です。

最後の階段を上って無事、拝殿にてご挨拶。お会いできて本当によかった…
新型コロナウイルスの影響もあってあまり人もおらず、1人でゆっくり参拝させていただくことができました。
そのあとは境内をうろうろ。
霧の中に光が射す境内は本当に美しかったです^^

三峯神社さんの境内
↑拝殿の右手側にもさまざまな神さまたちが祀られています。このまま進んでいくと、遙拝殿、随身門のほうに出ます(ぐるっと一周するようになっています)。

宿坊 興雲閣で1泊

三峯神社さんには「興雲閣」という宿坊があります。
拝殿の左手側すぐに社務所があり、その奥にある建物が興雲閣です。

*興雲閣さんのホームページには、施設の案内や宿泊料金等が掲載されていますので、よろしければご参考ください。

*興雲閣の予約は、以前は楽天トラベルやJTBでも取り扱いがあったみたいなのですが、現在は興雲閣さんに直接お電話する方法のみのようです。興雲閣のサイトに予約方法についての案内があります。
予約・お問い合わせの電話番号もサイトに記載されていました↓
三峯神社(社務所)・興雲閣フロント(共通の電話番号):0494-55-0241(受付時間9:00~17:00)


この日はこの興雲閣さんで1泊することにしていました。
宿坊、という扱いになっていますが、設備や空間は旅館といったかんじで、構える必要は全然ありませんのでご安心ください 笑

三峯神社さんの宿坊「興雲閣」
↑宿坊興雲閣さん。お部屋にトイレやお風呂はありませんが、まったく問題なかったです。窓から見える山々も美しく、そして神域でいただく温泉はやはりすばらしい…!

受付で手続きをすると、
「御祈祷はうけられますか?」
と聞かれます。実は、興雲閣で宿泊すると、翌朝一番、7時30分からの御祈祷「日供祭」に参加することができます
ちなみに、朝の御祈祷を受ける場合は宿泊費が2000円引き(1泊2食付きの場合?)です^^

御祈祷を希望する場合は社務所でその旨伝え、先に初穂料を納めます。
領収書を旅館の受付に提示すると割引が適用されるしくみです。

自分はこちらで御祈祷と御眷属拝借をお願いするのが大きな目的でもありましたので、社務所で御祈祷と御眷属拝借の申し込みをすませ、チェックインしました。
*三峯神社さんのWebサイトにも、各種ご祈祷の案内がありましたので、よろしければ参考にしてください(ご祈祷案内|三峯神社

三峯神社さんの社務所
↑拝殿の左側にある社務所。社務所をさらに左に進んでいくと宿坊興雲閣に着きます。


*社務所では御朱印もいただくことができますが、感染症対策のため書置きのものを渡すかたちとなっています。また、おみくじもおそらく感染症対策のためありませんでした。

興雲閣には温泉もあります。
ふだんは日帰り温泉も受け付けているのですが、新型コロナウイルスの感染症対策で現在は中止となっていました。宿泊者は入浴できます。

自分も早速温泉をいただきました。
この日は川越からで、長旅の疲れもあったので温泉はとてもありがたかったです。

その後は部屋で一休みして夕食をいただきました。
素泊まりもできるのですが、周辺に飲食できる場所がないのでその場合用意して持ち込む必要があります

三峯神社さんの宿坊「興雲閣」でいただいたお夕食
↑お夕食。蓋を取るのを忘れていましたが、お椀の中は茶わん蒸しとお野菜の煮物でした。お鍋は牡蠣とお野菜のお鍋です。

こちらの三峯神社さんにおうかがいするにあたり、て桜井識子さんの本『神さまと繋がる神社仏閣めぐり – 神仏がくれるさりげないサイン』を読んで予習(?)してきたのですが、お宿のお部屋では御眷属の狼さんが一晩中見守ってくれるそうです。
スペシャルすぎる特典です…なんとありがたい…。


桜井識子(さくらい しきこ)さんは神さまやご眷属の姿が見える方で、お話することもできるそうで、とても参考になりました。一のご眷属の大きな大きなオンガさんや、小さな子狼さんたちと奥宮に登山した話など、三峯神社さんのことが大好きになります…
ほかにも、日光の神さま、仏さま、神田明神の話、天狗伝説のお話などが掲載されています。

三峯神社さんの御眷属拝借

何回か登場していますが、「御眷属拝借」って何なの?と思われた方もいるかもしれません。

御眷属拝借は、その名の通り、三峯神社さんのご眷属である狼さんを1年間お借りするものです。
社務所で御眷属拝借のお願いをすると、御祈祷後に御眷属拝借のお札(御祈祷代4000円)とお札を入れる木箱(2000円)をいただくことができます。
* 御祈祷や御眷属拝借は、朝一番の日供祭だけではなく、午前9時~午後4時の間に受け付けられています

御眷属拝借を受けることにより、三峯神社さんのご眷属を1年間「お借りする」こととなります。
拝殿で御眷属拝借を受けさせていただき、社務所で木箱(御眷属箱)を受け取ります。
木箱はご眷属のお宮の代わりとなるものです。木箱の中にはお札が入っているのですが、中のお札は、1年を目安に三峯神社さまにお返しします。
御眷属拝借の期限は1年間なので、お札をお返しして、お借りしたご眷属をお返しする、というわけです。

三峯神社さんのご眷属をお借りしているので、きちんと三峯神社さんにお返しするのが大事です。
お札をお返しする際は、きちんと参拝するのが望ましいのですが、郵送で返却することもできますので、くれぐれも別の古札所に返す、というようなことがないようにしましょう。

御眷属拝借については、「どうやってお祀りしたらいいの?」「お供えはどうしたらいいの?」などなど、自分もわからないことばかりだったのですが、御祈祷のあと、木箱と一緒に「御眷属拝借について」と書かれた紙がもらえます。そちらにお祀りの方法など丁寧に説明があります。
また、社務所にお聞きすると丁寧に教えていただけます。
わからないことや心配なことがある方は、社務所で直接聞いてみると安心です。
(自分もわからないことがあって何度かお聞きしました)
三峯神社さんのサイトに記載されている電話番号を記しておきます
三峯神社社務所 電話:0494-55-0241

朝の御祈祷 日供祭

朝の御祈祷は7時30分からです。
御祈祷に参加する宿泊客は7時20分に受付右横にある通路(?)のようなところに集まります。
*はじめての人は「場所がわからない」と不安を感じるかもしれませんが、チェックインの時に受付の方が丁寧に教えてくれますので安心してください

受付横の通路から拝殿まではつながっているので、ここでスリッパを脱いで拝殿へと向かうことになります。

三峯神社さんの朝の御祈祷(日供祭)の始まり(拝殿への入り口)
↑拝殿へとつながる廊下。社務所の後ろ側を通るかたちになります。御祈祷が終わると、この「社務所の後ろ側」のところでお札などを受け取ります



拝殿で椅子に座って御祈祷を待ちます。拝殿の扉は開いているのでこの季節とても寒いですが、凛とした空気で身も心も禊になるような気がしました 笑

御祈祷は30分ほど。大きな太鼓の音とともに祝詞が奏上されます。
朝の静かな山の中に響く太鼓と祝詞はなんともすばらしく、この時間がずっと続けばいいのになあと思ってしまいました。

御祈祷が終わると、最後に神職の方から1名ずつ名前を呼んでいただき神前で手を合わせることができます。
拝殿を出て宿坊に戻る廊下の途中、社務所の裏側にあたる場所でお札をいただき、部屋に戻りました。

御祈祷の後は朝食です。
とても良い時間を過ごし、夢見心地で朝食をいただきました。
ほんっとうによかった…

朝食後は境内を散策し、大事な「遠宮」に行きました。
遠宮は、興雲閣を出て右手方向に歩いて5分ほどのところにある場所です。

遠宮は「御仮屋」ともよばれており、ご眷属さまたちの仮のお宮となっています。
御眷属拝借させていただいたので、ご挨拶におうかがいしました。
* 御眷属拝借をされた方は、遠宮にご挨拶に行きましょう

お犬さまの仮のお宮「遠宮(御仮屋)」でご眷属拝借のお礼とご挨拶
↑遠宮へと続く道。本殿から左に5分ほど歩いたところにあります。案内板などもないので、初めてだとちょっとわかりづらいかもしれません。

御仮屋の説明
↑遠宮はご眷属さまたちの仮のお宮です。御眷属拝借された方はご挨拶に行きましょう^^

遠宮(御仮屋)の鳥居
↑遠宮の鳥居。いろんなポーズをしたお犬さまたちがたくさんおられました

三峯神社さんをあとに

遠宮から宿に戻ってチェックアウトをすませ、三峯神社さんをあとにしました。
チェックアウト時間は10時で、バスの出発時間が10時30分だったのであまり時間がありませんでしたが、最後遙拝殿から奥宮を遙拝しました。

三峯神社さんの遙拝殿
↑遙拝殿に向かう階段。階段を上ったところに5m四方ほどのスペースがあり、奥宮を参拝できます。奥宮は10月で閉山されているので、奥宮登山はまたの機会に。

前日は霧の世界でしたがこの日は晴天で、霧と晴天の両方の三峯神社さんを過ごすことができとてもありがたかったです。

10時30分のバスにもなんとか間に合い、ゆっくりと山を下りて西武秩父駅に到着しました。
西武秩父駅からは西武特急秩父で池袋、そこから東京へと向かいます。

東京に出ると、三峰山で過ごした時間は本当に格別だったとあらためて思いました。
三峯神社さんは結構厳しい雰囲気、というような話も聞いていたのですが、とても清々しくて気持ちの良い場所でした。

これから三峯神社さんに行ってみたい、という方のお役に立てたら、そして、三峯さんのことを知らなかった方にも、こんなところがあるんだと知っていただけたらありがたいです。

三峯神社さんのお犬さま
↑拝殿わきのお犬さま。境内にはあちらこちらにお犬さまがいらっしゃいます。



追記
1年後、御眷属拝借を終えてお礼とお返しの参拝に再訪いたしました。
御眷属拝借の「お引き替え」もさせていただきました。