中国

カザフスタンへ 阿拉山口~アルマトゥ(アルマトイ)

ウルムチでカザフスタンビザを取得し、いよいよ中国出国です。
ウルムチでの日々はこちらです

国境での取り調べ

鉄道は4人コンパートメントで2段の寝台が向かい合っていて、領事館で一緒になった女性と上下になった。
残る2つの寝台にはおそらくカザフスタンからの会社員風の男性が2人で、ちょっとだけお話したけれど、もう遅い時間だったのでみんなで早く寝ることにした。

翌朝、うっすらと夜が明ける中を列車が走っていく。
まわりは枯れた草の茶色い草原、建物も何もない景色が延々と続いている。

どこまでも続く枯草の草原

列車はなにごともなく、中国側の国境、阿拉山口(アラシャンコウ)に到着した。
ここで中国を出国、ということになるので、当然いろいろとチェックを受ける。これがかなり念入りで、持っているものはもちろんパソコンの中の画像ファイルもくまなくチェックしている。

乗客全員のチェックが終わらないと列車は出発できないのだが、しばらくすると自分も一緒の女性も列車から降りるように指示された。
2人で顔を見合わせ、「自分たち一体どうなるんだろう・・・」とお互いめちゃくちゃ不安なかんじになりながらも、従わないわけにはいかない。

2人して列車を降り、駅にある建物の方へと誘導される。
行ってみると、ほかにも日本人たちが列車を下ろされていた。
こちらは東京大学から調査に来た先生方5人。こんなところですが初めましてといった、まあおおらかな人たちだった。

それぞれ別々に取り調べ?のようなものを受けたので、お互いの状況は分からない。
自分は、簡単な英語と身振り手振りを交えながら、持っているもの、パソコンの中身、ありとあらゆるものを調べられた。

取り調べをしている男性は50代くらいで色黒で、ただ悪い人ではなさそうで、むしろあまりに自分が不安で困った表情をしているものだからか、
「ごめんな、ちょっと見させてちょうだいな・・・」
みたいなかんじですごくやさしかった。同じくらいの年齢のお子さんでもいるのだろうか。

おそらく1時間以上はかかったと思う。
陸路で海外の国境を超える、初めての経験はなかなか強烈だった。

自分たちを待って列車もずっと停車していたのだけど、ようやくみんな解放されて無事に列車に戻り、ほどなくして動き出した。

カザフスタン入国

しばらく走るとカザフスタンに入る。
出国の際にさんざん調べてもらったからか、こちらはパスポートをチェックするだけですんなり入国できた。

その後、カザフスタンと中国では鉄道の幅が違うので台車を取り換える作業に入って時間ができた。
東京大学の先生方が
「降りてもいいみたいですよ~」
と言うので、列車を降り、好奇心の赴くまま、一緒になって交換作業を眺めていた。
すると、いつの間にか自分たちの列車の交換が終わったのか動き出し、先生方ともども置いて行かれそうになって慌てて走ったのはご愛敬。

国境での取り調べよりも、こんなところで置いて行かれる方が気持ち的には焦った 笑

カザフスタン入国に伴い、台車を交換する

台車の交換も終え、列車は快調にカザフスタンの草原を走っていく。
どこまでも続く枯れた草原。
話を聞くと、今年は雨が少なくて草原の草が枯れてしまったらしい。
本当なら、緑でいっぱいの草原なのだそうだ。
そんな姿も見たかったなと思いつつ、この茶色い草原にも情緒があって好きだった。

地平線に夕日が沈む

やがて地平線に夕日が沈み、ほどなくカザフスタンの第2の都市、アルマトゥ(アルマトイ)に到着。
ここで、東京大学の先生方、領事館で一緒だった女性とは別れることになった。
それぞれがそれぞれの目的地に向かって進んでいく。
そういえばここ最近はずいぶん賑やかだった。
急に寂しくなってきて、これが一期一会なんだなとしばらくのに賑やかだった時間を噛みしめた。

こちらに続きます