中国

上海での日々 西寧へ

前回(旅の始まり)はこちらです↓

上海では「上海船長青年酒店」というユースホステルにお世話になった。いろんな宿があったけれど、ユースホステルは日本にいたころからよく利用していたのでとっつきやすかったのだと思う。

場所は外灘エリアのすぐそばで、歩いて数分で黄浦江に沿った遊歩道のようなところに出て、有名な上海タワーを眺めることができた。

毎日のように上海タワーを眺め、行ったり来たりする人を眺め、写真を撮った。そこから足をのばし、焼き小籠包を食べに行ったり、豫園に行ったり、ゆるゆると過ごしていた。
何日か過ごして上海やこの度にも少し慣れながら、そろそろ出発しようかという思いになってきた。

次の目的地はすでに頭の中にあって、「チベットに行きたい」と、旅に出る前からそう思っていた。チベットへ行く定番のルートはいくつかある。ひとつは成都から飛行機あるいはバスを利用するものだが、自分は西寧から西蔵鉄道を利用するルートを取ることにした。

しかし、チベットに入るには中国政府からの入域許可証が必要となる。これには入域手段(飛行機・バス・鉄道)現地の滞在期間・行程、宿泊する宿、入域手段、ガイド、同行者などの情報が必須となる。入域許可証を持たない旅行者はチベットに入ることは許されず、いくつかある検問でその都度許可証をチェックされる。

というわけで、まずは上海からチベット行きの玄関口となる西寧に向かい、西寧の現地旅行会社で入域許可証の手配をしようと考えた。

早速、上海の駅へ切符を買いに出かけた。上海から西寧までは列車が出ており、かなりの距離になるが寝台がある。係りの若い駅職員ととやり取りを繰り返すが、返ってくるのは「メイヨウ(ない)!」である。
本当かどうかはあやしいものだったけれど寝台はもうないらしい。仕方ない、手に入れた切符は「新空調硬座快速」。つまり、エアコン付きの座席である。上海から西寧までは32時間。24時間以上を座席に座って過ごすことになってしまった。3か月後の自分ならばうんざりして別の手段を考えたかもしれないが、このときは「32時間も列車に乗る、しかも座席で 」という好奇心が勝った。

2日後、5日ほどお世話になった上海のユースホステルを発ち、駅へと向かった。中国の鉄道駅はさながら空港のようで、荷物のチェックを受け、ゲートをくぐって中に入る。電光掲示板で自分の乗る列車を確認し、待合室で時間を過ごし、出発を待った。

時間が来てホームに向かう。車両は非常に大きくて、日本のものとはずいぶん違う。ボックス型のシートに自分の座席番号を見つけて座った。背もたれは垂直で、座面にはクッションが入っているものの、このまま32時間というのはかなりきつい。
また、ちょうど休暇に入るときだったからか車内は結構混雑していて、デッキやトイレにも人がいる。

身動きもあまりとれない状況でひたすら座り続ける32時間となった。夜が来て朝になり、少しずつ人は減っていった。ようやくちょっと落ち着き、車内販売に来た売り子の女性からお弁当を買って朝ごはんに食べた。

車窓を眺める余裕もでてきて、西寧までゆるゆると過ごした。果てしなく長い時間であったけれど、そんなこんなで2008年7月26日、何とか無事に西寧に到着、である。

続きます 西寧からチベットへ