中国

シガツェからラサ 蘭州へ

前回の記事はこちらです

シガツェから車でラサへ戻り、その日は時間があったのでラサの市街を歩いてみた。
これまでラサ、ギャンツェ、シガツェをめぐってきたけれど、ポタラ宮も、ジョカンも、パンコル・チョーデも、タシルンポも、そしてチベットという世界が非常に危うく崩れかかっているのが頭から離れなかった。

歩いてみたとはいっても、管理の目が厳しいチベット、とくにラサでは自由に寺院を訪れることもできず、近くの商店を覗いてみる程度だった。

棚田が広がるチベットの村(シガツェ~ラサへの帰り道)

もやもやとしながらもどうしようもできずで、しかしこうしてチベットに足を踏み入れて、話を聞いて自分の目で見ることができたのはよかった。

翌朝、ラサの駅でドルジェさんと別れ、チベットから蘭州行きの列車に乗った。
短い時間ではあったけど、たくさん勉強させてもらって感謝でいっぱいで、また、ドルジェさんを自分のガイドとしてくれた旅行会社のワンさんにも感謝の気持ちでいっぱいで、見てきた世界と出会った人たちに胸いっぱいなお別れであった。

西蔵鉄道から

チベット高原の景色はやはり美しく、どこまでも続く草原に、時おり雪をいただく山々が姿を見せ、雲の低さもあってほんとになんだか違う世界にいるようだった。

翌日列車は蘭州に到着し、駅前の安いビジネスホテルに宿をとる。
夢のようなチベットでの日々から都市へと戻ってきて、とくに蘭州は工業地帯というのもあってなんとなく騒々しい。

ここからさらに西を目指して、次の目的地を探していくことになる。

蘭州では駅前にとったボロボロのホテルを拠点に、何をするでもない日々が続いた。
起きて特に何もすることがなく、とりあえず外に出てみる。
ホテルのすぐ横にある雑貨屋のようなところで水や食料を買う。
道を渡ってすぐにある牛肉麺屋で昼食をとる。

しかしそれでもほかにすることも見あたらず、歩いて大学のキャンパスを覗くことにする。
大学までは多少距離があるので、途中のパン屋でちょっと買っておく。
ベンチで一休みしてパンを食べる。図書館にも行ってみる・・・。

寄り道したチベットが鮮烈すぎたのか、ただ西の果てに行くのが目的の旅行者にとって、街中の生活はどう過ごせばいいのかわからなかった。

何日かして、進もうか、となる。なんだかぐっと遠くへ行きたくなる。
地図を広げて眺めてみる。「ウルムチ」という表記に目が留まった。
もともと世界史が好きで、ウルムチは中国史でよく出てくる。シルクロードの要衝として、たくさんの人々が行き交った場所。
次の目的地は・・・ウルムチにしよう。

大学近くの高級ホテルに見つけていた旅行会社に行き、列車の切符を手配してもらった。 一気に行ってしまおうと思った。

ウルムチ~中国出国に続きます!