ユーラシア大陸横断

タブリーズからトルコ ドゥバヤジットへ

アイキャッチは国境行きのバスから見えたアララト山
雪を頂くその姿に、富士山を思い出します

イスファハンからイラン北西の都市、タブリーズへと移動し、タブリーズからイランートルコ国境へと向かいます。
前回の記事はこちらです

タブリーズのターミナル

タブリーズのターミナルで国境行きのバスを待っていると、隣に座る会社員風の若いイラン人男性に声をかけられた。
「こんにちは。どちらからいらしたんですか?」
日本から、と答えると話はこれまでの横断の旅のことになり、そしていつしかイランという国についての話となった。

いつかのバスでの話と同じように、これまで多くのイランの人たちに数えきれないくらい親切にしていただいたこと、本当にありがたくて感謝していることをお話させてもらった。


男性はとても喜んでくれ、と同時に「悪の枢軸」とよばれていることを非常に悲しんでいた。
話はすっかり盛り上がり、実は・・・、と切り出された
「明日結婚式を挙げるのですがよかったら来ていただけませんか??」


こんな見ず知らずの旅人をほんっとにいいんですか!?と思ってしまうけど、イランの結婚式というのはどんなものなのだろう。すごく興味がある。
そして、こんな今知り合ったばかりの自分を呼んでくれたこのイラン人男性のご厚意にお応えしたい。行きたい 笑!


ただ自分のトランジットビザはこの時点で残りがあと1~2日とわりと限界・・・。
悩む悩む・・・。


ひとしきり悩むも、ビザがらみで国境でトラブルを起こすのはやはり避けた方がいいのではないかと、なくなくご遠慮させていただくことに。
「ごめんなさい、ビザがトランジットでもう日がなくて(>_<)」


結婚式行ってみたかった・・・。男性はこのあとの旅の無事を祈ってくれ、自分も男性の結婚を祝福して、国境行きのバスに乗った。

トルコとの国境へ続く道

アララト山を臨む トルコ国境

国境へ続く道は草木もあまりない荒涼とした山岳地帯に通っていて、バスはがガタガタと揺れながら進んでいく。
しばらくすると、ずっと向こうに雪を頂く山が見えた。これはアララト山では??

その姿がなんとなく富士山に似ていると聞いてはいたが、確かに富士山にそっくり。
ほかの山々とは明らかに違う。
やっぱり、これが旧約聖書のノアの箱舟伝説の舞台として有名なあのアララト山なんだろう。

バスの中から 奥にうっすらと見えるのがアララト山


バスは国境近くにあるターミナルで停車し、そこからさらにタクシーに乗り継ぐ。
タクシーは、道の向こうにアララト山を眺めながらトルコに向かって進んでいく。ドライバーさんに「アララト?」と聞いてみると、
「イエス!アララト!」
とのことなので、間違いなさそうだ。


タクシーはイラン側国境のゲートまで届けてくれ、そこから徒歩でトルコ側に向かって歩いていく。
なんというか工事中なのか地面がむき出しの斜面を登っていくのだけど、道なき道でほんとにこれで道(なのかどうかもよくわからない 笑)は合っているのかと不安になってきたころ、トルコ側の管理官の人がいる建物を見つけた。


管理官の中年男性にパスポートを渡すと、「ほほう、ずいぶんといろんな国に行っておるのやな・・・」というようなかんじでしげしげと眺め続けられる。
これはちょっとなにか言われるかもと警戒していたら、
「Welcome to Turkey!」
と急に笑顔に変わってスタンプを『ボン!』と勢いよく押してくれた。
10か国目、トルコに入国!

ドゥバヤジットへ

そのまま歩いてトルコ側のゲートへと進んでいく。
進んでいくと、しばらく隠れていたアララト山が右手に大きく見えてくる。
なんというかとてつもなく存在感の大きい山。本当にすごい。

アララト山

トルコ側のゲートを出て、さあどこか一番近い街へ・・・と思ってうろうろするも、あたりは何にもない荒原に1本道が通っているだけで、国境の通過を待つ長距離トラックが数台並んでいる以外本当に何もない。
どこへ行ったらいいのかわからずとりあえずうろうろするが、どこに行けばいいのか皆目見当がつかない。

通過を待つ長距離トラック

いよいよ困った・・・もう一度国境に戻って誰かに聞こうか。と途方に暮れていると
「こっちこっち」
どこからかおじさんとちっちゃいお子さんが現れて呼んでいる。
うろうろして訳が分からなくなっている自分をどこからか見ていたようで、
「ここで待っていたら乗り合いバスが来るよ。」
「街まで行けますか?」
「大丈夫!」
本当に訳が分からなくなってきてこのまま歩いてこの1本道を行くしかないのかと思いかけてたから助かった・・・。


お礼を言って、写真を撮らせてもらった。お子さんは照れてしまってカメラを向いてくれなかったけど、取れた写真を見てもらったら喜んでくれた。

乗り合いバスを教えてくれた親子(孫かも?)

そうこうしているうちに乗り合いバスが来てトルコ最初の街、ドゥバヤジットにたどり着いた。

こちらに続きます!