カザフスタン

カスピ海横断フェリー

アイキャッチはアクタウ市内、カスピ海の沿岸

カスピ海には毎日のように遊びに行きました
結局10日ほどの滞在となり、思い出深い場所となりました

ウズベキスタンから列車でカザフスタンに再入国し、カスピ海を臨むアクタウに着きました。ここでカスピ海横断フェリーに乗るべく奔走します。
前回の記事はこちらです

フェリーターミナルを探して

カスピ海横断フェリーは不定期。アクタウに港があるはずだけど、正確な場所はわからない。船の切符がどこで買えるのかもわからない。

なので、
1.フェリー乗り場を探す
2.フェリー乗り場でチケットの買い方を聞く

を最優先にしてアクタウをうろうろ。
とはいっても手掛かりがないので、とりあえず港の方にいくっぽいバスに乗ってみる。タクシーでもよかったけれど、距離がわからないので料金がどれくらいになるか見当がつかなかった。

バスに乗って乗客の方に聞いてみる。
メモ帳に船の絵を描いて「Caspi? Port? Port?」とジェスチャーを交えてなんとか「港に行きたいのだけど・・・」というニュアンスが伝わるように頑張るとどうやらわかってくれたみたい。
今乗ってるバスでもうちょっと先のバス停で降りる、そこに来るバスが港に行く、と教えてくれた。

カスピ海を眺めるアクタウ市内

そうしてカスピ海横断フェリーの乗り場にたどり着き、さっそく中に入ってフェリーのこと、チケットのことを職員さんに聞いてみる。
「明日フェリーが出る」
なんとも急なタイミング。
このフェリーは運行が不定期で早ければ数日、遅ければ10日~2週間くらいの間隔でカザフスタンとアゼルバイジャンを行き来している。
そのフェリーが明日出港、となってかなりびっくり。
せっかくアクタウに来たのでもう少し滞在したい気持ちもあったけれど、これを逃して次が10日あるいは2週間後、ともなればそれもしんどい。

またまた非常に悩んだけれど、こういうときは「行ってしまおう」がいつも勝つ。
今回も例に漏れずでとりあえず乗ってしまおうと思った。
「明日の朝8時に港の切符売り場においで」
「スパシーバ!」
というわけでまたも慌ただしく移動となり、翌朝再び港を訪れると・・・

切符売り場が締まっている・・・!

切符売り場の横にある待合室にはこれもまたびっくりなのだけど日本人のパッカーが3人いて、なんと切符売り場では切符を買えないことを教えてもらった・・・。8時って言っていたのは??おっちゃん・・・

とりあえず、市内に旅行代理店があってそこでチケットを購入できると聞きタクシーで急いで向かう。
2人の女性従業員がいるだけの小さな旅行代理店に入り、チケットについて尋ねてみると、
「ごめんなさい Sold outしちゃったの」
ちょっとこれは本格的にやばいかも。
代理店のお姉さんの、ひょっとしたら船に乗るとき空きがあったら乗せてもらえるかもしれないというアドバイスに希望を託し、もう一度港に戻って乗船手続きが始まるまで待つことにした。
港に帰ると日本人がさらに1人増えてまたびっくりしたが、この男子大学生も切符を買えなかったそうで、一緒に待って過ごすことになった。

結局、チケットを買うことはできなかった。
日本人のパッカー3人を見送り、自分は同じく乗れなかった男子大学生と一緒に、いつになるかわからない次のフェリーをアクタウで待って過ごすことになった。

アクタウで過ごす日々

横断フェリーを見送った翌朝、早速旅行代理店に出かけてチケットが予約できないか聞いてみたけれど、次の船が来ないと予約はできないらしい。
次がいつになるかわからないから、それまでは何度もこの代理店に通い、ひたすら待つことになる。

長くなればそれだけ滞在の費用もかさむし、長期にわたる大陸横断の旅だからなるべく出費は押さえておきたい。
ダメもとで代理店のお姉さんにいつもの「安くていい宿はありますか?」で尋ねてみると、1泊1500円の宿を教えてくれた。

アクタウに安宿はないと聞いていたからこれは助かった。これまで泊まっていたホテルの3分の1の値段、安い・・・!

そしてこの宿で、ユーラシア大陸を自転車で横断中の男子大学生とも出会った。
大学生2人自分の3人となり、次の横断フェリーを待ちながらのんびり過ごす日々が続く。

よく遊んだカスピ海 砂がまたきれいでした・・・

カスピ海横断フェリー

毎日のようにカスピ海に行っては海を眺めていたけれど、あとは特に何もすることがないのでただただのんびりしていた。
それでも代理店には毎日のように通い、行くたびに「何かフェリーの情報ありますか?」と尋ね、そのたびに「う~ん、なにもないの。ごめんなさいね」だった。
代理店のお姉さんは「何かあったら電話するね」と言ってくれて、そんなある日、ついに宿に電話がかかってきた。

「フェリーが来たからチケットが買えますよ!」

おおおおー!ついに!チケットが!買える!!!

大喜びで舞い上がりながらいつもの旅行代理店に行く。
前にフェリーを見送ってから1週間ほど経っていた。お姉さんもすごく喜んでくれて、
「やっと乗れますね!よかったですね!」
と3人分のチケットを発券してくれた。

お姉さんに「Good Luck!」と見送られ、代理店を後にする。
フェリーの出発はなんと今日の18時。
いつも話が急で、何かすることがあるわけでもなくゆるゆるのんびりと過ごしていたアクタウだけれど、こうなるとちょっと名残惜しい。
フェリーに乗るとなれば、よくしてくれたこの代理店のお姉さんに会うことも今後ないだろうなって思うとこれもまた寂しい・・・。

いろんな思いを整理整頓する時間もなく、荷物をまとめ、18時の出向に間に合うように港に向かった。
港の待合室で3人そろってフェリーの乗船を待つが、待てど暮らせど一向に動きがない・・・。

「明日の午前4時に動くらしい」

そんな話も聞こえてくる。
とにかくひたすら待ち続け、出国手続きを済ませてフェリーに乗れたのは翌日の午前5時だった 笑
まあ不定期のフェリーなので焦っても仕方がない。

乗船できたので、とりあえず寝ようとひと眠りして、何時間かして目が覚める。
今頃カスピ海の海上を、と思っていたら船はまだ港に停泊したままで、さすがに長すぎじゃないかな大丈夫かなと思ったけれど、13時ごろようやく動き出した。

ようやく動き出したフェリーに3人で大喜びし、デッキに出て離れていくアクタウの街を眺めた。
バイバイアクタウ。結局10日ほどいたのだろうか。
なんだかんだで楽しく、思い出深い場所になった。

フェリーはこのままカスピ海を西に進み、その後進路を南に変え、アゼルバイジャンのバクーへと向かう。

カスピ海をひたすら進んでいく

アクタウの街も完全に見えなくなり、360度見渡す限りのカスピ海上を進んでいく。
そのまま夕日を迎え、夜になり、朝になり、そしてふたたび夕日を迎えるころ、船はバクーに着いた。

ここからアゼルバイジャンに入国するのにさらに2時間ほどかかってあたりはすっかり夜になり、かなり疲労したけれど無事アゼルバイジャンに入国!

こちらに続きます!